そしてそんな私の仕事をいつも見守ってくれたのが富士山です。
子供の時から、「絵を描きなさい」と言われて描くのは必ず富士山でした。
富士山の景色は本当にいい。
春は春の良さ、夏は夏の良さ。5合目から上は木が植わっていないから、雪のない真夏は紫色に輝きます。朝、晴れた日に見れば晴れ晴れした気分になったものです。でも、一番私を助けてくれたのは仕事始めである朝5時に拝む冬の富士。寒々しいけれど、身が引き締まりました。
「今日もいい仕事をしなくちゃ・・・」と。
平成9年、息子・広一の結婚に伴い、家を新しく建て替え、丸広建築での40年の現役生活にピリオドをうちました。
息子が戻ってくるからには、少しでも身を引かなければという想いでした。まずはこちらが任せないと仕事を覚えることはできないし、責任感も芽生えませんから。どんな仕事もそうですが、自分自身、「その場当たって」でないと覚えられません。
私が残してやれたのは、腕のいい大工たちだけ。
丸広建築はこれからも常に、誠心誠意、努力するのみです。 |